「かわいい!」がいっぱいだった。
この「かわいい!」は甘ったるいかわいさではなく、ころんとしてつやつやしてなめらかでなでなでしたくて、特別だけどそっとそばにいて安心感があってしみじみしちゃうかわいいなのだ。
3本脚のスツールをたくさん見た。
「かわいい!」だけに大興奮していたけど、よくよく説明を見て「90°に曲げた脚」を作るのにどれだけのアイデアと技術が必要なのかわかってなかったことに気がついた。
ずっと「かわいい」ばかり言っていた。ほかの言葉が思い浮かばなくなってしまったので、仕方ない。
デザインは大きく変わらず、しかし時代の変化に合わせて食器が陶器から磁器で作られるようになったり、フィンランドだけではなく他の国の創り手がフィンランドスタイルのものを作るようになっていった。
実用的な生活用品だけでなく、飾るものもたくさん作られた。
新しいものを創るだけでなく、修繕して使う、ユーズドとして新しい持ち主に渡るようにする、という取り組みも生まれる。
フィンランドのライフスタイルはこうやって作られてきたのか、という流れも感じることのできる展覧会だった。
見終わったあとは、館内のカフェで休憩した。
コラボメニューの「リンゴンベリーのクランブルタルト」を食べた。難しいと思うけど、これらもさっき見た器で食べたかったなぁ、と思った。
俳優の高橋一生さんがフィンランドを巡るNHKの番組を見たことがある。
そのことも思い出しながら展示を見ていた。森と海と湖と木に囲まれたところだった。あれをもう一度見たいなぁ、と思いながら帰宅したら、SNSで高橋一生さんと飯豊まりえさんの結婚を知った。ジョジョ婚じゃん!
というのが、この日のシメだった。
展示は写真撮影可能。
かわいいが詰まっているせいか、興奮気味についつい大きな声で感想を言い合う人たちが何人かいた。わかるけど、ご用心。