6月末に北海道に行ったのに、なぜ初ジンギスカンが東京なのかというと、
- ひとり旅には、ジンギスカンはなかなかハードルが高かった。
- ジンギスカンをお任せしたら間違いない人が東京にいる。
という理由からだった。
北海道では1回しか飲めなかったサッポロビールを飲み、お店の人がお世話してくれるジンギスカン鍋(あれは鍋、なんだろうか。鍋という言葉しかなかったのだろうか。自分の想像の上を行く鍋の形態にいつも戸惑う)の上で羊肉が焼かれるのを見ていた。
お店の人は「冷凍を1度もしていない生の肉です」と説明してくれた。オーストラリアから来ていた。
普段、私は鶏、豚をよく食べ、ときどき牛、という感じである。瀬戸内の子で、親も島の人なので魚もよく食べる。
こんな食生活と食文化圏なので、羊は滅多に食べない。
なんていうんでしょう。牛肉の「サシ」が入ったものではなく、赤身で、とにかくよく噛んで食べたくなるお肉だった。しっかり咀嚼して、肉のうまみを口の中で引き出して味わいたい感じ。
しかしこのフレッシュなお肉は柔らかくもぐもぐしていると、自分の理想より早く食道に移動してしまう。
何度かもぐもぐタイムを伸ばそうと頑張ったが、すぐにいなくなってしまうので、諦めた。
塩、タレ、薬味として山わさび。黙々と食べた。ほんとにびっくりするほど集中して食べ、あっという間にお店から出た。
夢みたいだったが、「ひとりでは絶対入らないお店だな」と思った。繁華街にあって、ひとりだと敷居が高そうな気がする。私が旅慣れていないせいかもしれない。
そう言えば、突然思い出した。うちにもあったわ、ジンギスカン鍋!父がどこかからもらってきたと思う。
ただし、普通に「焼き肉(牛肉)用の鉄板」として使っていた。「あの溝に油が落ちるわけか」など謎の観察をしていたが、あれを洗うのが大変で「女は家事」という父はそんな苦労も知らないので悪態をつきながら大量に洗剤をつけて洗っていた気がする。