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ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト / 広島県立美術館

2025/10/03


※ネタバレあります。


広島で古代エジプト展って、何年ぶりだろう。

エントランスの様子から、週末などは入場者が多そうだ。チケット売り場にジグザグ通路が設置してある。



古代エジプトと言えば「金ぴかのお宝!」、「パピルスに描かれたなんとか!」をたくさん見てきたけれど、今回はもうちょっと違った感じだった。

金ぴかお宝はそう多くなく、あの頃のエジプト(だって古代エジプトと言っても、期間がすっごい長いんだもん)の人々の暮らしがどうだったのか、どういう考え方をしていたのか、という風俗的なものと、今の調査や研究はどんなものか、そこからどういったことがわかってきたのか、などを説明した展示だった。

やたらとミステリーだの、お宝だの、呪いだのなんだの、下手な「なんとかの謎!」と煽る感じがなくてよかった。

しかし、巡回展でちょっとテレビ的ななにかが入った構成や演出がされていて、そこは落ち着いて鑑賞しにくかった点だった。演出による煽りはあったかなぁ。

写真もたくさん撮れたので、何枚か写真を貼ってちょこまかと書いていくことにする。


髪の毛の彫りなんてすごくてすごくて、
どんな道具を使ってどうやって彫刻していったのか想像できなかった。

カモさん
あんよがかわいくてたまらん!
そしてショップにはこのカモさんがポーチになって売られていた。
「そこっ?!」とツッコミを入れてた。

監修をされた河江肖剰教授の野帳!
めっちゃテンション上がる!!!
河江教授の発掘7つ道具のひとつ。

多機能ナイフもテンション上がる!!!


水色(ターコイズブルー?)のカバの像は何度か見ているけれど、
こんなふうにひっくり返された展示は初めてだった。
足が折り取られているのがよくわかる。
カバさんは人気で、ぬいぐるみもボールチェーンのついたマスコットもあった。


動物モティーフが多く、うっとり。

前出は鳥の姿をしていたけれど、
こちらは食肉として加工されていた。

これ、なーんだ?

答えは「ハエ」。
びっくりした!

「なぜハエをペンダントに?!」と思ったけど、説明文を読んで納得。
「粘り強さの象徴」という点もとても納得!



美しい装飾はずっとずっと見ていたかった。
足の裏や頭のてっぺんにも絵が描かれているものもあった。



ミイラの展示室には呪文が流れてた。
すごく不思議な空間だった。


どんな職業が花形なのか。親が子どもに期待すること。ピラミッド建設労働者には1個9500キロカロリーのパンがおそらく4日に1度は配給されていた。死生観。などにもふれていた。

あと、おすすめは「ミイラのつくりかた」のポップなアニメーション!3分くらいの作品で、やはりミイラを作るのですから「鼻の穴から鍵状になった金属の棒をつっこみ脳みそをかき出す」とか「脇腹を切って内蔵を取り出す」とか「ご遺体を洗う」など、なかなか強烈な作業もあるわけですが、それがポップで淡々と描かれていて、なかなか面白いです。


動物ものと彫刻の素晴らしさに心を奪われてたなぁ。というのが振り返っての感想。



ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト | 広島県立美術館

広島ゆかりの美術作品、日本とアジアの工芸作品、ダリの「ヴィーナスの夢」など1920~30年代の美術作品をテーマにコレクションも充実。 緑ゆたかな名勝 縮景園に隣接しており、展覧会と合わせて四季折々の自然景観もお楽しみいただけます。



「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」

「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」

ブルックリン博物館が誇る古代エジプトコレクションから、選りすぐりの名品群が集結。彫刻、棺、宝飾品、土器、パピルス、そして人間やネコのミイラなど約150点の遺物を通じて、私たちの想像を超える高度な文化を創出した人々の営みをひも解きます。