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絵本のひみつ展 / ひろしま美術館

 

「絵本のひみつ」ってどういうことなんだろう。と思いながら、美術館に駆け込んだ。

「ひみつ」というのは便利なことばで、なんだかよくわからないけどわくわくさせる。一方で「なーんだ」ということも多い。どこか「だまされた!」と思うような、期待していたのと全然違う「煽り文句」みたいな、そんなことも少なくない。

前情報なしで飛び込んだら、「絵本の絵のひみつ」が原画とともに展示してあった。


絵本をテーマにした特別展はいくつか見てきたけど、ある年代までの多くが福音館書店の「こどものとも」に関わっている、あるいは影響を受けている。

今回もそれで「こどものとも」の絵本の原画のひみつであった。

ジプタやぐりとぐら、かばくんなど、私も「こどものとも」の絵本と一緒に幼少期を過ごしたので「あのときのあの作品のあの絵のひみつなんて考えたこともなかった!!!」というのが大きな衝撃だった。

絵本は絵本だし、絵本の絵は絵本の絵だったんだもん。


技法や素材など、画家が自分の得意なものを突き詰めたり、新たな技法や素材に挑戦してみたり、と言われてみれば「なるほどそうか」ということがゆったりと丁寧に展示されていた。

なんだか「豊かだな」と思った。

売れなきゃどうしようもないのだけど、それだけじゃない「なにか」がある気がして。そんな挑戦が許されるのかな、今の絵本業界では。なんて下世話なことを考えてしまう。

「不朽の名作」というものがあるけれど、新しいものがそれに迫っていけないのはどうかなぁ、とも思う。いつまでも「ぐりとぐら」だけじゃどうかな。「ぐりとぐらもいいけど、今はさ」という作品が生まれにくいんじゃないか。とよく知らないから勝手に想像してしまう。絵本を取り巻く環境も変わっていると思うけど。


話が逸れちゃった。

そうそう。新しい素材で絵が描かれるということはそれを印刷する技術も向上した、ということなんだろうなぁ、とも思った。つるつるの西洋紙ではなく、和紙やキャンバス、板、ベニヤ板に描かれたものもあった。


わくわくしたのは、作品の中の場所の地図が見返しについている作品。

ときどきあるじゃん。有名なのはムーミン谷かな。あとはコロボックルシリーズにも少しあったかな。

あの地図見るのが好きでさぁ。自分でも描きたい(想像の世界の地図)と思って何度かトライしたことあるけど、向いてなかったみたい。

地図があると、ぐっとリアリティが増すよね。


子どもだましじゃない、いい特別展だったなぁ、といい気分で展示室を後にした。


カフェではコラボメニューの「ひみつケーキ」を食べた。

白い大きな皿にピンクの球体。以上!

というメニューはあれこれいろんなものをかき立てられるものだった。情報が少ないといろいろ考えられて、いいね。

「ぐりとぐら」も余白が多いのは「あとは読者におまかせ」を意図しているのだと解説してあった。あれを思い出しちゃったよ。



なかなか休みと予定と体力のタイミングが合わず、前売券を買ったにもかかわらず行けないかと思った。やっとやっと行けたし、内容も素敵で楽しくて満足したので、「素敵な夏休み」になったなぁ、と思った。

もうひとつ。スライムパンツがようやく買えて、こちらもなかなかはく機会がなくて、このときやっとはけた。これも嬉しかったなぁ。上はもちろんでかスライムTシャツだった。

うん、いい夏休みのできごとだ。















絵本のひみつ展 - 特別展 - [ひろしま美術館]

絵本のひみつ展 - 特別展 - [ひろしま美術館]

ひろしま美術館は、印象派を中心としたフランス近代美術と、日本洋画や日本画などの日本近代美術コレクション、約300点を所蔵しています。