ブルターニュ地方はフランスの北西部にあり、大西洋に面している。
なので今回は海にまつわる作品が多く展示されていた。
漁で賑わう港町や人々、特徴のある民族衣装の女性たち、などほっこりするものもあれば、荒々しい自然の翻弄されたり、漁で命を落とすもの、海にまつわる神話のエピソードの一場面など、題材も豊富だった。
印象は「ゆったり見られた」だった。
おそらく展示作品数は多くないのだと思う。その分、空間に余裕があって次々と矢継ぎ早に作品を見なくてもよかった。余韻に浸ったり、大きな絵をそのままその大きさを感じながら眺めたりできた。
とても心地よかった。
パリから離れているせいか、宝石や刺繍、シルクのゴージャスな衣装のない絵は、あまり疲れなかった。これもよかった。
ぴかぴかびかびかのものも、見るのは好きだけど、そういうものは見るだけでも随分疲れてしまうんだな、と感じた。私が疲れているのかも。
一部を除いて、とても多くの作品が撮影可能だった。
まだ始まってすぐの頃の平日、それも朝一番を狙っていったせいか、人がそこまで多くなく、また不快になるほどばしゃばしゃ写真を撮る人もいなかった。
私も少し写真を撮った。なぜか額縁の写真が撮りたくなるんだ。
作品全体を写したものもあるけれど、ここでは一部分を撮った写真だけを載せておこう。
大きな作品の細い線で描かれた鳥たちがとても気になったんだ。
所蔵作品展は「美術館のプロフィール」というタイトルで構成されていた。
所蔵作品がどのように集められたのか、順を追って説明されていた。
バブルがはじけ、経済が厳しくなった頃、作品の購入を止めた期間があった。広島現代美術館でもそれについて取り上げていたことがあった。美術館の経営は厳しいよなぁ。
コロナのときは休館続きで、ほんと、あの素晴らしい特別展がほとんど見られることなく終わっていったのを歯がみしながら見ているしかなかった。悔しく苦々しい。
いろんな美術館、博物館がダメージを負っただろうなぁ、と思う。
見終わってから、シードルを楽しんだ。辛口とやや甘口があり、私はやや甘口のドゥミ セックにした。タルトタタンと一緒に楽しんでみたい味だった。
4枚目の写真はランチを食べたそばの、妙な路地にあったお店についての注意書き(?)。洒落てて気に入った。