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白の魔法 ―モネ、大観も使った最強の色― / ひろしま美術館




※ネタバレあります。

色鉛筆の白って、なかなか減らない。本格的な作品ならば混色したり、表現で使ったりするのだろうが、こどものぬりえ程度のことだったら、ほとんど出番がない。

ならば黒などの濃い色の画用紙に白い色鉛筆を塗っても、「マットなくっきりしたペンキのような白」にはならず、紙の色が透けて見える「薄い白」になりあまり満足しなかった。

黒い紙に白やミルキーな色のインクで書けるペンも10代になってからは気になったが、これもまたなかなか書けない。最近は技術が向上して、マットでくっきりな白い線が書けるようになっている。

白はいろいろ難しい。





そんな「白」にまつわる作品を集めた特別展を見てきた。

雪、雲や煙、衣服、そして余白。

紙に絵の具を用いず塗り残して白を表現するのか、白い絵の具を塗るのか。

晴れた日の雪とどんより曇った日の雪の違い。

少女が着る白いドレスの透け感と、少女へ期待する純真・純白なイメージとエロス。


などなど、「白」についてこんなに注目して作品を見てこなかったので、とても面白かった。










会場には作品だけではなく、絵の具の展示もあり、一見同じように見える「白い絵の具」にもいくつも種類があり、他の色と混色すると全然違った印象の色ができあがって驚いた。

また日本画の岩絵の具は、同じ原料でも粒が粗いか細かいかで色味が違うのを初めて知って、これにも驚いた。とても面白い。











白い色を使わなくても、日本語では「余白」という言葉を使う。展示の最後にあった竹内栖鳳の2作品は圧巻。余白にしびれた。








余白も素晴らしいが、このぶちゃっとしたわんこに目は釘付け



鑑賞のあとは、のんびりくつろぎ時間。コラボスィーツの「ホワイトケーキ」をいただく。白くてちっちゃくって丸いものって、なんでこんなにかわいらしいのでしょう。柚子の爽やかな酸味とラズベリーの明るい赤が印象的。お正月もやってくるので、紅白でおめでたいですね。





白の魔法 ーモネ、大観も使った最強の色ー - 特別展 - [ひろしま美術館]

白の魔法 ーモネ、大観も使った最強の色ー - 特別展 - [ひろしま美術館]

モネや大観の名作が集う「白の魔法」。光と色彩の秘密に迫る特別展を2025年12月13日~2026年3月22日、ひろしま美術館で開催しています。