これは緻密な絵で、美術館で見るよりも1枚の絵を前にしてじっくりねっちり座って時間をかけて隅から隅まで見たいなぁ、と思った。
junaidaさんのことを知らない、と思っていた。
しかし展示されている作品のひとつを見て思い出した。
「これ、ほぼ日手帳の表紙で見た、多分」
確信はなかったが、帰宅して調べると当たりだった。
(ウィークリータイプの表紙になっていた「ENDLESS」という作品だった)
画家、junaidaさんの持ち歩けるアート。 - ほぼ日手帳 2017
画家、junaidaさんの「LAPIS」「ENDLESS」がほぼ日手帳で登場。ご自身の描かれる絵についてインタビューをしました。
なんだか魔法にかけられて、その世界に入ってしまったようだった。
私が中学生の頃、好んで読んでいた物語の雰囲気にも似ているような気がしたし、伝説の「みんなのうた」の「月のワルツ」と同じ空気を感じたような気がしたし、ヒグチユウコさんのナニカも感じたし、そんなもの全然含んでいないナニカも感じたし、「一体、自分はどこにいるんだろう」とくらくらしながら、作品を見ていた。
なんとも表現しがたく、もちろんレビューなど書けるはずもなく、「とにかく見てくれ。あたいが言えるのはそれだけだ」と言い残したい。
最近の自分は、とにかく過去のことをたくさん思い出し、もう一度触れたいとネットの海を溺れるように漁ることが増えた。
それがなんなのか、意味があるのか、さっぱりわからない。
ある意味、危機的状況あるいは今際の際に「走馬灯のように過去を思い出す」のにも似ているのかもしれない。
10代の私はファンタジーの世界にいた気がする。
ふわふわなパステルカラーのかわいらしいものだけでなく、どこか闇や死の匂いのする世界、または鏡や水鏡に映った世界のようなどこかキレッキレで透明感にあふれなのに刃を含んでいるような、そんな感じの世界だった。
その世界の雰囲気にどこか似ているような気がして、とても心ひかれ、でも私がいた世界とは違っていて、すごく混乱してしまった。
お気に入りは「怪物園の巨大アニメーション」。これはいい、楽しい。
『怪物園』という本があり、原画も展示されていた。
説明文によると「ハウルの動く城」のような「怪物園」という目玉がぎょろぎょろついた生きた建物のようなものがうとうと眠っている隙に、中の怪物が列をなして園から出てしまうお話、らしい。
その怪物が、私より大きな奇妙な怪物が列をなして歩いているアニメーション。
モノクロからカラーに変わる瞬間も素敵だし、妙な音楽もなくざっかざっかと怪物の足音だけが響く。まるで怪物園を起こさないように無言で歩いている感じがして、私はとても楽しかった。
ちょっと滞在時間が長かったのか、途中、学芸員の方が中の様子を見に来られた。
最後のお部屋は真っ赤な壁面に作品が展示してあった。
大人な、ヨーロッパのお城のような展示の仕方。好き。
ここに前述の「ENDLESS」が展示してあった。
会場内はいくつか制限はあるものの、写真撮影可能。私も何枚か撮ってきた。
背景が黒や紺などの作品は、反射で自分が映ってしまうのであまり撮らなかった。
絵本を開いているような展示もあって、楽しかった。
美術館のお楽しみと言えば、カフェでのコラボメニュー。しかし、今回はなかった。夏の特別メニューはあったけど。
いつだったか、夏休みのこどもにも楽しめる特別展のときに、小さなカフェに列ができ、座れてもなかなかオーダーが通らないことがあった。もしかして夏休み中に会期があるので、こういうことを避けるためなのかなぁ、と勝手に想像した。
もしあったのなら、どんなメニューだったのかしら。残念。
| どこか安野光雅みを感じる |
| ずらりと並ぶ作品 |
| 反対側から見ると作品に添えられた文章があった |
| 大人っぽい赤いお部屋 |
![]() |
| 怪物園の巨大アニメーション |
| ここを境にモノクロからカラーになる |
![junaida展「IMAGINARIUM」 - 特別展 - [ひろしま美術館]](https://www.hiroshima-museum.jp/inc/images/common/ogp.png)
junaida展「IMAGINARIUM」 - 特別展 - [ひろしま美術館]
ひろしま美術館は、印象派を中心としたフランス近代美術と、日本洋画や日本画などの日本近代美術コレクション、約300点を所蔵しています。
■追記 2025/08/11
この記事は2025年7月15日に note で公開したものです。
考えるところがあり、ブログに移しました。noteの記事は削除し、ブログでは2025年7月15日公開とします。

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