本日、「広島と言えば」のひとつ、路面電車がJR広島駅ビル2階の電停から発着を始めました。「駅前大橋ルート」といい、名前の通り広島駅前大橋を渡るルートです。これまでは遠回りして猿猴橋町(えんこうばしちょう)を通り、荒神橋(こうじんばし)を渡って的場(まとば)に着き、そこから街の中心部の八丁堀・紙屋町方面に行く線と比治山下線(ひじやましたせん)に分かれていました。
広島電鉄さんもサイトで示しているように、駅前大橋ルートを通ればこれまでより約4分短縮されるそうです。
2階にあるJR広島駅の改札口からも階を上下せずスムーズに路面電車に乗ることができます。新しい駅ビルがオープンし、まだ工事中だった2階の電停の様子も見、7月からは本格的に「2階に上がる」ための試運転の電車を何度も見ました。
新しいルートが使われるということは、使われなくなるルート、そして電停があるわけです。前述の猿猴橋町や的場もそうです。
私は今回、使われなくなったルートのほうがなじみがありました。
そう頻繁に公共交通機関を利用することはないのですが、広島駅周辺南側はうろちょろしていたので的場に電車が走ることは当たり前でした。
最後にこの使われなくなるルートを走る電車を見たのは、8月1日でした。
夏だけの短期のお仕事の行き帰りに的場を通るからです。数日前から、スマホや立派なレンズをつけたカメラを構え、電車を撮る人がいました。8月1日はもっともっと多かったです。
私は、撮ろうと思えば撮れたのですが、なんだかそうすると寂しくなってしまうので、撮りませんでした。
数日後、仕事があるのでまたここを通ります。電車が全然走らない線路、停まらない電停を見るときっとヘンな気持ちになるでしょう。
昨日も見に行かなかったし、今日も見に行きませんでした。いつまでも「これまでと一緒」を望んでいるのかもしれません。
広島駅周辺もこの10年で大きく変わり、新しいものができるたびに違和感を覚え、「そういえばあれがあったのに」と思ってきました。頻繁に行かないけれど、それでも少しずつ新しいものに慣れていきました。
路面電車が廃業になるのなら、もっと衝撃が大きく、もっともっと写真を撮ったと思います。今回はそんなことはありません。
きっと使われなくなった線路も電停もそうそうすぐにはなくならないでしょう。だって、工事も大変だもん。
ゆるゆる慣れていくのだと思います。

広島駅「駅前大橋ルート」|広島電鉄(公式)
2025年8月3日、新線、芽吹く! 広電の路面電車が、広島駅ビル「ミナモア」2階から発着! 駅前大橋ルート開通で、“えき”と“まち”をもっと近くに。
■本日の写真
2024年と2025年に撮って、まだこのブログにあげていなかった「使われなくなるルート」の写真。
広島駅電停 2024年夏 |
広島駅を出て猿猴橋町電停へのルート 右折すると荒神橋があり、的場の電停に出る 2025年 |
猿猴橋町電停付近 2025年 |
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