酒粕で作られているので、ほんのり酔う。大らかな時代、と言ってしまえばいいのだろうか。特に不思議もなく堂々とほんのり酔っ払う感覚が好きだった。
また、甘酒の中の溶けきっていない酒粕の塊を食べるのが好きだった。それは大きければ大きいほどよかった。なぜならばそれは砂糖の甘さはなく、からくてよりアルコールを感じていたのかもしれない。
父は酒粕をトースターなどで焼き目をつけ、砂糖をつけて食べるのが好きだった。香ばしくなるが面倒だった。母はそのまま砂糖をつけて食べるのが好き。私は砂糖もつけずに食べてしまう。
市販や甘味処の甘酒は私にとって甘すぎる。砂糖をつけずに食べる酒粕は噛めば噛むほど米の味がする気がしている。
今年の年末、酒粕4kgを買った。今回で2回目。前回はコロナ禍の頃だった。初めて見た4kgの酒粕に大興奮していた。去年はスーパーで見かけなかった気がする。もしかして売り切れていたのかもしれない。だって4kgで1780円。お買い得。
大量の酒粕はほとんど甘酒か砂糖をつけて食べられる。1~2回、粕汁を作るかもしれない。魚の切り身の粕漬けもおいしそうだが、作ったことはない。
甘酒は大雑把に作る。
大鍋に水を張り、火にかけ、酒粕をちぎり入れる。量も適当。濃いめがいいか薄めがいいかお好みで。ちなみに私はやや濃いめ。
口当たり滑らかにするために漉すやり方もあるが、私はしない。そう、酒粕の塊を食べるためですよ。なのでちぎり入れるときも大胆な大きさで、おたまの背でちょいちょい潰すがそれでおしまい。
砂糖は大量に使う。お盆の仏壇へのお供え物に落雁を模した菊や蓮の花のグラニュー糖を使う。普段、お菓子などを作らないし、紅茶には砂糖を入れないのでグラニュー糖は使わない。いつもはそれが貯まっていくのだが、酒粕があるときにはがんがん消費する。私は控えめな甘さが好き。
ちなみに今年は丸々とした緑のレモン18個をマーマレードにしたときにすべてのグラニュー糖を消費したため、料理で使う三温糖を作った。お好きなお砂糖でどうぞ。
あとは好みですりおろししょうがを入れる。熱々だとお腹の中からぽかぽかになるね。
大量に作ったら冷蔵庫で保存。がんがん飲む。冷たい甘酒もおいしいし、レンチンすることもある。
春に蔵開きがあるので、4月くらいは酒粕は入手できるかも。初夏ともなれば製氷機で甘酒を凍らせていた。それを弟と氷菓のように食べていた。
「飲む点滴」とも言われる甘酒だが、前述の通り、米と砂糖だ。気をつけないとふっくらしてしまうので、ほどほどに。私はご飯の量を減らして飲んでいる。