初めて映画「AKIRA」を見たときは、難解でよくわからなくて、でもなんだか圧倒されたのを覚えている。
その後、確かコロナ禍くらいのゴールデンウィークになぜか大友作品(アニメ)をYouTubeで短期間無料配信された。
(※調べたら、2020年5月にABEMAで、大友監督4作品が無料配信されていた)
そのときはぼんやりしか覚えていなかったので、あんなに会いたかったアキラちゃんがあんな姿になっているのにひどく衝撃を覚え、いつまでもいつまでもそれに揺さぶられていた。
そして今回はトムス・エンタテインメントアニメ制作60周年とYouTubeチャンネル登録者数70万人達成のため、1週間、「AKIRA」が無料配信されている。
そして私はいそいそと視聴した。
少なくても3回目、もしかしたらもう1~2回なにかの機会を得て見ているはずなのに、ストーリー展開をさっぱり覚えていなくて、今回もまた「いやっ、これどうなっちゃうの?!」と思いながら見た。
部分的に覚えていることはある。でも流れとしてどうしても記憶できない。
それで今回気になったのは「スマホがない」ということだ。原作のコミックスの「AKIRA」は1982年から連載が始まったし、アニメは1988年の作品だ。第三次世界大戦後の2019年が舞台で、2020年東京オリンピック開催を予言した、など盛り上がったなぁ。
博士のデータが全部紙に印刷されているところも時代を感じるが(機械からデータが印刷された紙が巻物のように吐き出されていた。今ならデジタルでデータを保存するんじゃないかな)、それよりも「スマホがないんだなぁ」と思った。
コインランドリーで固定電話(あるいは公衆電話?)で女の子は長電話してた。
いや、金田と鉄雄とアーミーの爆走やいろんなところの爆発や、鉄雄の破壊を見て「アキラ様が現れた!」と見物する人々が描かれていたとき、ふと「誰も写真も動画も撮ってないんだなぁ」と素直に思っちゃったんだ。私も相当スマホに依存しているな、と改めて驚いた。
そうなんだよ。今ならこんなことが起ったら、写真や動画撮って、SNSその他、とにかくネットに上げそうじゃん。
ここまで来て私はやっと、これが原作は40年以上前に作られ、アニメは35年以上前に作られた作品だ、ということを実感した。
絵柄などもあるだろうけれど、それでも「近未来の話」としてずっとずっと刷り込まれ、それに疑問を持たず、これまで何回も見てきたんだ。だって前回見たのだって、数年前だよ。そのときにはスマホのことなんて微塵も気がつかなかったんだから!
というのが、今回の「AKIRA」を見終わった後の衝撃。いやぁ、びっくりしたぁ。
後は蛇足みたいなことだけど、これに出てくる女性の描かれ方ってさぁ。
原作を知らないので、もしかしたら原作にはあったけど映画化するときにカットされているのかもしれないけど、金田がケイに一目惚れする理由がわからん。彼はケイの写真を見て「かわいい」と言った。きれいな顔をしているけれど、彼女の言動に「これは惚れるや!」ということがない。
普段、金田の周りにいるギャルとは違う、ちょっと大人っぽい人かもしれない。でもそれならマチルダさんみたいな、なにかグッとくるものがほしいんだよ。
あと、鉄雄のガールフレンドのカオリもさぁ。
深掘りしたらいろいろ出てきそうだけど、魅力がなぁ。
原作読んだら、描いてあるのかな。
次に見るときは、どんなふうに見るんだろう。
■今回の写真
「ネオ東京」にちなみ、東京の写真を。とはいえ、今年の東京旅では高いところには上っておらず(せいぜい橋の上か、芝丸山古墳の上)、あまりネオ東京感のある写真はなかった。