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荒木飛呂彦『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』 集英社

2025/03/03

 



2023年5月に公開された映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の原作本。映画化に合わせ元の愛蔵版からちっこくマンガの単行本サイズで出版されたもの。

そして、NHKのドラマ「岸辺露伴は動かない」は全部見て(第9話「密漁海岸」まで)、このルーヴルも劇場に見に行っているのに、荒木先生のマンガを読むのは初めて。なんだか勇気が出なくてさ。

この作品がルーヴル美術館のバンド・デシネプロジェクトのために書き下ろされた作品などなど、他の情報はさておき。

初めての荒木作品に触れ、ありのまま感じた事を話すぜ。
(個人の感想です。ジョジョ歴は浅く詳しくありません)


  • まず絵が綺麗。
  • フルカラー作品で、色がついているところと白いまんまのところとの表現が面白くて、深読みしたいけれどなにもできず、もどかしいけれど「なんだかしゅごい」だけつぶやいてしまう。
  • どうしても映画と比べてしまう。
  • マンガのほうがエロティック。そしてグロテクス。映画はあれでも随分マイルドになっていたんだなぁ、と思った。
  • 「確かにこのマンガがあの映画の原作。だが、認めるのは断る」みたいな脳内が反発している。印象が全然違ってバグる。
  • 比べてはいけないけれど、マンガのほうが「ああ、荒木先生読んでるっ!」と浸れた。当然なんだけど。
  • 露伴ちゃんは ドラマ(今のところ全部見てる) → アニメ(4本見てる) → 映画(ルーヴル見てる) → マンガ (ルーヴルのみ読んだ)という順番で触れている。そしてアニメを見たとき「え、ドラマよりエグくてグロテクスでこわい」と思った。ドラマなので表現に規制が入るかもしれないし、実写というしばりもあるだろうけれど。このときに感じた「深くてこわい」という感覚のもっともっと濃いものを今回感じた気がしている。
  • 映画は後半、正直私は内心大爆笑してしまったので(スミマセン)、今回「ああ、マンガのここを膨らませた結果なのね」と思った。
  • 映画とマンガだったら、マンガのほうが好きだなぁ。グロくてエグくて深くてこわいんだけど、こっちのほうがぴったりしっくりくる。
  • 17歳の露伴ちゃんが若い人妻が気になって(まさかのラッキースケベまで入ってくるなんて)、ドギマギしながらむんむんと襲ってくるいいようのないエロティックな雰囲気に飲まれそうになって戸惑うとか「オンナノヒト突然怒リ出ス。ワケガワカラナイ」と翻弄される感じとか、面白かったなぁ。露伴ちゃんがちゃんと思春期の青少年で、かわいかったし。映画では省かれていたことが事細かく書いてあって、わかりやすいところでもあった。
  • 私はドラマから露伴ちゃんに入ったので、「超越した存在。しかしトラブルには自ら巻き込まれる」という印象を持っていた。なので「あんなにかわいい時期がちゃんとあっただなんて!」、「ちゃんとおばあちゃん、って言ってる!」(ついでに言うと「おじいちゃん」とも言っている。承太郎は「おかあさん」から「このアマ」になっちゃったのに!とも思った。いや、衝撃的だったんだよ、承太郎さん)など、ギャップにヤラれた。
  • 映画を見たときも思ったけれど、まさか露伴ちゃんの家族のことが出てくるとは思わなくて、そういうことは秘密になっているのかと勝手に思っていたから。でもそれでなんというか「超越した存在」からよりリアリティのある「ひと」に感じられるようになった気がした。
  • 劇場版「懺悔室」も楽しみだ!



映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』公式サイト

映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』公式サイト

【5.23fri公開】荒木飛呂彦原作×邦画初“オールヴェネツィアロケ敢行! 罪深き“告白“が招く、極上サスペンス。