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高里 嶺『谷口吉生をさがして』闇鍋連合



風が強かった。ちょっと外に出たらぐっと冷えている。昨日に比べて日差しがあった。今日は休みでおこもりして本を読んだ。


最初に読んだ本は高里 嶺『谷口吉生をさがして』闇鍋連合

これはZINEで、SNSで見かけて通販で入手した。建築家の谷口吉生の建築物に興味を持ち、旅行や出張などで谷口さんの建築を訪ねたり、その道中のことや他の建物についてのエッセイだ。

広島では映画の設営にも使われた中工場が谷口さんの建築物で、自分も数回訪れたことがあるのと、自分には「建物を訪ねて旅をする」感覚があまりないので関心を持った。


結構前から小説よりエッセイなどの「リアルにいる人の言動や心の動きや考え」に関心が向いているのだけれど、ZINEが身近にないので「有名な作家さんではない人のエッセイ」は新鮮だった。やっぱりプロはプロだし、もうちょっと身近な人の感覚がたくさん入っていて親しみが持てる。

私の好きな日記ブログも感覚としてはこれに近いが、ブログと本とでは文章の編み方が随分違うので面白かった。


多分、「私」が見た建物を実際に見たあとで読むともっとぐっとくるんだと思う。写真や映像で見るのと、その地に赴きその場に立ってこその伝わってくる波動があるので、それを知ってからまた読みたい。

あとちらちらと入る、移動の細かな描写とか(東京のなんとか線に乗って、とか)、どこそこでなにを食べたとかそういうのが私は好きだった。

そうか、私はこれを旅行記として読んでいる部分があるのかもしれない。


また谷口さんの建築物を訪ねたあと、この本の続編が出るといいな。どれくらい時間がかかるのかわからないけれど、谷口さんの建物への関心が持ち続けられているのか変化しているのか、また自分も変化していく中で建物を見るまなざしが変わるのか、などそういうのが気になる。



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去年(2024年)の12月初旬にはこの本は手元にあった。しかし年末の仕事の忙しさと自分自身のコントロールの効かなさに、最初の数ページを読むだけで進められなかった。年末年始はインフルエンザで寝まくっていたし。やっと本が読めるくらいに復活できたなぁ。

もう1冊は『夏葉社日記』というZINEで、これはまだ途中だ。岐阜の HUT BOOKSTORE で購入した。












■本日の写真

谷口吉生さん設計の広島市環境局中工場。2023年撮影。